2008年 06月 26日

フィリピンの和夏(その3)

和夏のママがマニラの観光地にも行ってみたいとのこと。イントラムロスのフォート・サンチャゴ(サンチャゴ要塞)を案内することにした。和夏とママと私と女房の4人。
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フォート・サンチャゴの門の前で。
あの石の上の紋章、どんな意味があるのかな。
なんだか歴史が感じられるよね。
スペイン植民地文化の痕跡が見られる城壁都市イントラムロスの北西に位置する。

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中に芝生の広場が広がっている。近くの大学の学生さんなのだろう。思い思いに歓談したり身体を動かしたりしていた。

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太平洋戦争末期のアメリカ軍爆撃による廃墟の跡をそのままにしている。
サンチャゴ要塞には、日本軍憲兵隊司令部があった。
大勢のフィリピン人がゲリラ嫌疑で殺されたようだ。
日本と関係のない場所じゃないんだぜ。
米軍の爆撃時、日本兵も死んだろうが、大勢のフィリピン人も死んだ。
日米の闘いで、関係のない市井のフィリピン人がたくさん死んだのだ。
イントラムロスの廃墟は、当時の苦難、戦争は絶対悪だという思いを風化させないために、そのままにしている。


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和夏がたどっているこの足跡、何かわかるかい。
1892年、フィリピンの英雄ホセ・リサールはスペイン総督府によって銃殺された。彼が監禁されていた場所から刑場まで歩いた道らしい。

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後方に見える二つの搭は、マニラ大聖堂(マニラ・カセドラル)

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マニラ大聖堂の内部で
フォート・サンチャゴに来る前に立ち寄ったのさ。

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和夏ちゃんとマーリンちゃん。
二人の話を聞いていると面白い。友達同士みたいだ。
和夏は、こわいから、ママの言うことはよくきく。マーリンちゃんのいうことはあまりきかない。
マーリンちゃんは、世間並に、和夏ちゃんには大甘だものな。

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北西側はパシグ・リバーに面している。
なんたって、ここはかってイントラムロスを守る軍事要塞だったんだ。
日本の城のお堀と同じさ。
向こう岸はチャイナ・タウン

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この階段は佐太郎にはきつい。
前に何度も上っているので、今回はパス。

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和夏ちゃんとママ
イントラムロスは、スペインのフィリピン支配の拠点。
それに引き続き、アメリカ、日本のそれぞれの支配の拠点でもあった。
和夏、大きくなったら、その歴史をたどって探索してみたら。

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土産物のお店を物色中の女性陣。
つきあいきれないや。
買い物は3人にまかせ、私は前のベンチで休んでいた。
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二人の浜松ギャル
リサール・シュライン(リサール記念館)に飾られていたおせいさんの肖像画と和夏。
二人とも、浜松出身。
おせいさんはホセ・リサールの日本人の恋人とのこと。
肖像画から見ると、おせいさんって綺麗で官能的な女性だよな。
静の中にうごめく奔放な情熱をみてしまう。
でも、恋人という説明にちょっと納得いかない感じもする。
リサールが日本に滞在していたのは1ヶ月半くらい。そんな短い期間に一般的にいう恋人なんて関係成立すると思かい。
おせいさん、没落士族の娘で教養のあるしとやかな女性であったようだ。
一説によると、静岡県浜松の出身。横浜の南京屋敷(当時の外国人居留地、今の中華街あたりらしい)で働いていたとのこと。
佐太郎が無責任に推測するに、素人さんじゃあ、ないな。それなりの職業の女性だよ。例えば、現代風に言えば、外国人エクゼクティブ御用達の高級コール・ガールとか。ハハハ。
リサールと東京、箱根、日光に一緒に行ったり、東京を案内して歌舞伎を一緒に見たりしている。
恋人が「恋しく思う人」という意味なら、正解。
リサールは手記の中におせいさんへの未練を書き残している。(←インターネットから拝借、ゴメン)

  日本は私を魅了してしまった。美しい風景と、花と、樹木、
  そして平和で勇敢で愛嬌ある国民よ、おせいさんよ、
  さようなら、さようなら・・・

  思えば私はこの生活をあとにして、不安と未知に向かって旅立とうとしているのだ。
  この日本で、私にたやすく愛と尊敬の生活ができる道が申し出されているのに。

  私の青春の思い出の最後の一章をあなたに捧げます。
  どんな女性も、あなたのように私を愛してはくれなかった。
  どの女性も、あなたのように献身的ではなかった・・・

  もうやめよう。みんなおしまいになってしまった。
  さようなら。さようなら。

革命の志士、英雄の人間的側面がみえて感動してしまうじゃないか。
リサールが銃殺になったのは、この4年後。
とにかく、短い時間でも濃密な時間を過ごし、お互い強く魅かれあったとしても不思議はない。
リサールにとって、おせいさんは張りつめた人生の束の間の癒し。おせいさんが日本そのものだったのかもしれない。
これは、もう恋人と言っても何らさしつかえないな。
ラブ・スト-リーの絶好の素材じゃないか。

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  ジジとババと孫と・・・・
 「ジジはもう疲れてしまったよ」
 「和夏、そろそろ帰ろうか」
 「いいよ」

サンチャゴ要塞は素敵な場所だったね。
さよなら。さよなら。

by wakahiroo | 2008-06-26 06:30 | ★家族のいる風景


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